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【倒れない家を当たり前に】

【倒れない家」を当たり前に】

皆さんこんにちは
KATSUKENの勝部です
内覧会が大盛況だった
新築のお引き渡しも無事に終わり
久しぶりに休日を過ごす日曜
娘の演奏会を聴きにグラントワまで
行ってこようと思います

次男は和歌山でインターハイ
子供達は慌ただしいww

さてそんな本日は
倒れない家を当たり前に
というお話です

10年というスパンでまた来た熊本地震
本当に居た堪れません

古い家ならまだしも
プロに家を建ててもらうのに
まさか自分の家が倒れるなんて
誰が想像するでしょうか?

でもどの住宅会社に行っても
「うちは耐震基準をクリアしています」
「地震に強い家ですから安心してください」
そう言われるのが現状

一体何が違うのだろう
本当に大丈夫なのだろうか
そんな疑問を抱く方は
どれくらいいるのだろうか?
「耐震」の本当の意味について
少し深く考えてみましょう

結論から言えば
耐震を一番簡単に言うと
「倒れないこと」
ただそれだけです

実にシンプル
物理的な強さの追求です
でもこの「倒れない」という
当たり前のことが
今の日本の住宅業界では
当たり前になっていない
それが
大きな問題なのです

そもそも耐震という言葉の
本当の意味を考えたことがある
実務者がどれほどいるのか

一般的には
地震が来ても壊れない
傷ひとつ入らない
そんなイメージを
持たれるかもしれません

しかし国の定める最低限の基準
つまり建築基準法の
「耐震等級1」の定義は違います
震度5強程度であれば
損傷しない
つまり住み続けることができる

しかし
震度6強から7程度では
命は守るけれど
住み続けることはできない
これが国の基準です

つまり
一度だけ倒壊を防いで
中にいる人の命は救うけれど
家はボロボロになり
もう二度とそこには
住めなくなる
そういう設計なのです

一度の大地震には
なんとか耐えたとしても
その後に来る
何度も繰り返す余震には
耐えられないかもしれない

[図解: 建築基準法における耐震等級1の限界と被害イメージ]

そんな家を建てたい人はいるのか
もちろん国の基準が
間違っているわけではありません
でも「国の最低基準をクリアしている」
それだけでは守れない命がある
それを証明してしまった
悲しい震災が2016年の熊本地震です

この地震では
わずか24時間の間に
震度7の激しい揺れが
2度も襲ってきました

それまでの法律では
「震度7クラスの大地震は
数百年に一度しか来ない」
という想定でした
しかし現実には
震度6強以上の揺れが4回
そのうち2回は震度7という
かつてない事態が
起きたのです

その結果
何が起きたか
国土交通省などの調査で
明らかになった
厳しい現実があります

熊本地震で倒壊した
木造住宅の数は
1981年までの家が
214棟

新耐震基準と呼ばれる
1981年から2000年までの家が76棟

そして
2000年以降に建てられた
比較的新しい家であっても
7棟が倒壊しました

国の基準をクリアして
比較的新しい法律に守られた家でも
震度7が2回繰り返されると
耐えられずに
倒れてしまったのです

しかしその一方で
大きな光となった事実も
ありました

「耐震等級3」で
設計されていた木造住宅は
倒壊も全壊も
なんと0棟だったのです

大きな被害がなく
地震の後も補修を最小限に
そのまま我が家で
暮らし続けることができた

地震の後も
避難所に行くことなく
いつもの日常を守れたのです

[図解: 熊本地震における木造住宅の年代別・等級別の倒壊状況比較グラフ]

この差はあまりにも大きい
命を守るだけではなく
その後の暮らしを守る

それこそが
本当の意味での
「倒れない家」
ではないでしょうか

耐震は決して
自己責任ではありません
もし家が倒壊してしまえば
大切な家族の命を
奪うだけでなく
崩れた建物が道路を塞ぎ
近所の救助活動の
妨げになってしまう

自分の家を
倒れないようにすることは
大切な人の命だけでなく
周りの人や
地域を守ることにも
繋がっているのです

ではなぜ住宅にはこのような法律が
許されたのでしょうか?

わかりやすい車と住宅の
「安全に対するルール」の
大きな違いをお話しします

皆さんは車を買うときに
「この車は事故が起きても
フレームが潰れないですか」
と営業マンに聞くでしょうか?
おそらく
聞きませんよね

なぜなら
フレームがしっかりしていない
安全基準を満たしていない車は
そもそも日本で
売ることができないからです

国が厳しいテストをして
合格したものだけが
道路を走ることを許される
それが車の世界です
だから誰もフレームの強度なんて
気にもしないのが当たり前

しかし住宅は違います
安全性が不十分な家であっても
今の日本では売ることができてしまう
ここに住宅業界の
大きな不都合な真実があります

本来必要な「構造計算」をせず
壁の量だけを簡易的に計算した
建築基準法だけで
建てられている家がとても多い
法律だけ見ればそれで良い

しかし壁の量だけを合わせても
その配置のバランスが悪ければ
家は簡単にねじれて
倒れてしまいます
配置のバランスも簡易計算

でも地震の力は
建物の重さの中心を押し
壁の強さは
剛心という強さの中心部分で
抵抗します

この二つの位置が
近ければ近いほど
そしてバランスが良いほど
地震に強い家になります

私たちはこれを
偏心率という指標で
確認します

一般的には
この数値が小さいほど
バランスが良く
0.3以下が基準とされます

しかし
私が所属している
「構造塾」では
より高い安全性を考えて
0.15以下を基準としています

ここまできちんと計算して
初めて「倒れない根拠」が
生まれるのです

[図解: 建物の重心と剛心のズレがもたらすねじれ現象と偏心率のイメージ図]

「うちはベタ基礎だから大丈夫」
そう言う会社もあります

しかし
それも大きな間違いです

日本の建築基準法は
あくまで最低基準
安全基準でも
合格基準でもありません

その建物にかかる荷重を
きちんと構造計算して
どこにどれだけの
鉄筋が必要なのか
コンクリートの厚みは
何ミリ必要なのか
それを割り出さなければ
基礎の安全性は
絶対に分からないのです

ただ四角く
コンクリートを流せばいい
というものではないのです
国が安全を100%保証してくれない
今の日本の家づくり

だからこそ
私たちは自分自身で
正しい選択をしなければ
なりません

住宅会社を選ぶときは
「耐震等級3ですか」
と聞くだけでは足りません
「許容応力度計算による
耐震等級3ですか」
と聞いてみてください

品確法の簡易的な計算ではなく
もっとも信頼性の高い
「許容応力度計算」
これを行うことが
本当の強さを保証する
唯一の方法です

耐震性能は
オプションではありません
「予算がないから
耐震等級は低くていい」
それは絶対に違う
予算がないからと
ブレーキの効きが悪い車を
買う人がいないのと同じです

耐震は家族が安心して暮らすための
最低限の土台です

これがあって初めて
その上で楽しむ
心地よい暮らしや
美しいデザインが
生きてくるのです

車を運転するときに
いちいちフレームの強度を
心配しないように

我が家にいるときに
いつ来るか分からない地震の
心配をすることなく

ただただ
日々の穏やかな時間を楽しむ

そんな当たり前の安心を
作ることこそが
私たち造り手の
責任であると信じています

見えない部分にこそ
誠実であたり前の安心を
届けられる業界にしていきたいと思います

それではまた次回(^^)


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