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PERFORMANCE DATA

性能データ全部見せます

ここから先は専門的なページです診断書も計算書も実測データも加工せずそのまま公開します他社と比較検討中の方こそ、じっくりご覧ください

断熱性能 UA値
3.030.25 W/(㎡・K)
断熱等性能等級1 → 等級7(最高等級)
耐震 上部構造評点
0.291.55
倒壊する可能性が高い → 倒壊しない(最高判定)
気密性能 C値
0.2 ㎠/㎡
現場で実測。計算値ではありません
DATA 01

断熱等級1の家を等級7にする

既存のUA値は3.03。現行基準の最低等級「等級1」でした。

天井断熱・床下断熱だった構成を、屋根断熱・基礎断熱に組み替え、付加断熱を施工。改修後のUA値は0.25——6地域の等級7基準(0.26以下)をクリアする、断熱等性能等級7(最高等級)です。熱の逃げやすさは、およそ12分の1になりました。

下の判定表は、省エネ診断ソフト(ホームズ君)による計算書の実物です。

改修前の断熱等性能等級判定表 UA値3.03 等級1
改修前:UA値3.03(等級1)
改修後の断熱等性能等級判定表 UA値0.25 等級7
改修後:UA値0.25(等級7)

数字だけではピンと来ないかもしれません。断熱がどれだけ効くかは、「暖房を止めたら、この家はどうなるか」で考えると分かりやすくなります。下は年間の室温シミュレーションです。2月18日の20時、外気温4.4℃。暖冷房を一切使わない条件で計算しても、LDは19.8℃、寝室18.9℃、いちばん低い浴室でも18.3℃を保っています。

室温シミュレーション 2月18日 外気温4.4度 暖冷房なしで室温18から20度
年間シミュレーション(ホームズ君) ——2月18日20時、外気4.4℃。暖冷房なしでLD19.8℃・寝室18.9℃・浴室18.3℃

ただしこれは計算結果であって、「暖房が要らない家」という意味ではありません。18℃台は寒くはないけれど、暖かいと感じる温度でもない。お伝えしたいのは、それだけ少ない暖房エネルギーで家全体が暖まるということです。

計算と実測の答え合わせ

計算だけで終わらせず、実際に測って比べました。夜から朝までの10時間で、室温がどれだけ下がるかです。

0℃5℃10℃15℃20℃6時4時2時0時22時20時計算 17.0℃脱衣室 15.5℃リビング 15.4℃外気 0.9℃
リビング(実測) 脱衣室(実測) 計算(リビング・脱衣室とも同じ値) 外気(実測)
下がった温度
リビング 計算19.8℃17.0℃2.8℃
リビング 実測18.8℃15.4℃3.4℃
脱衣室 計算19.8℃17.0℃2.8℃
脱衣室 実測18.5℃15.5℃3.0℃
外気温 計算4.4℃−0.9℃
外気温 実測5.7℃0.9℃

計算では2.8℃、実測ではリビング3.4℃・脱衣室3.0℃。実測のほうが0.2〜0.6℃多く下がりましたが、下がり方はほぼ同じでした。

※ 計算は、暖冷房を使わない条件の2月18日20時から19日6時まで(ホームズ君)。実測は2026年2月23日20時33分から24日6時33分までで、エアコンは同日9時33分から17時33分まで運転しました。計算と実測では日付も運転条件も同じではありません。脱衣室は、計算の図面では「洗面」です。

DATA 02

耐震評点0.29の現実から目を逸らさない

精密診断の結果、既存の上部構造評点は0.29。「倒壊する可能性が高い」という判定でした。

これが築53年の空き家の現実です。私たちは精密診断法1で現状を数値化し、補強計画を設計。壁の保有耐力をX方向6.54kN→49.85kN、Y方向11.10kN→46.30kNまで高め、改修後の評点は1.55「倒壊しない」(最高判定)になりました。

耐震精密診断 現状 評点0.29
現状診断:評点0.29 ——倒壊する可能性が高い
耐震補強計画後 評点1.55
補強計画後:評点1.55 ——倒壊しない
耐震補強計画図
補強計画図 ——どの壁を、どう強くするかをすべて計算した上で施工しています

完成後に、揺れ方を実測する(微動探査)

計算で補強を設計して終わりにせず、完成した建物がどう揺れるかを「微動探査」で実測しました。建物や地盤が常にわずかに揺れている様子をセンサーで測り、揺れの周期と、建物の強さのバランスを調べる方法です。

建物の固有周期(短いほど揺れにくい)
0.09
地盤の固有周期(第三種地盤)
1.06
重心と剛心のずれ(−1〜1の範囲)
0.02

築53年の家の固有周期は0.09秒。新築の木造住宅の平均的な範囲とされる「0.3秒未満」に入りました。

建物の固有周期耐震性能 高め低めかなり低め0秒0.3秒0.5秒0.09秒地盤の固有周期第一種第二種第三種0秒0.2秒0.75秒1.06秒
固有周期のものさし ——建物は0.3秒未満が「耐震性能 高め」の目安。地盤は0.75秒を超えると、やわらかく揺れやすい第三種地盤

固有周期は、建物が1回揺れて戻るまでの時間です。短いほど揺れにくく、耐震性が高い目安になります。一方、この土地の地盤は、やわらかく揺れやすい第三種地盤でした。それでも建物(0.09秒)と地盤(1.06秒)の揺れの周期が大きく離れているため、地震のときに共振する可能性は低いと評価されています。

北 +1南 −1西+ 重心 × 剛心
重心と剛心 ——重心を中心0としたとき、剛心は南北0.0・東西0.02

剛心は、建物の強さの中心です。重心(重さの中心)から離れるほど、地震のときに建物がねじれやすくなります。この家は重心と剛心がほぼ同じ位置にあり、補強した壁が偏りなく効いていることが確かめられました。

調査:2026年5月23日 株式会社Be-Do / 解析:国立研究開発法人 防災科学技術研究所(微動クラウド解析システム) / 報告書:株式会社KULOCO
※ 微動探査は耐震性の目安を示すもので、地震で被害を受けないことを保証するものではありません。2000年5月以前に建てられた住宅として、建物の固有周期は安全率を見込んで評価されています。グラフは報告書の数値をもとに当社で作成しました。

DATA 03

気密C値0.2はリノベーションでも出せる

完成時の気密測定で、C値0.2㎠/㎡(実測)。

家全体の隙間を集めても、名刺半分ほどの面積しかないという意味です。新築でもC値1.0を切れば高気密と呼ばれるなか、築53年の改修でこの数値を実測で出しました。気密は断熱の効果を保証し、換気を設計どおりに機能させる土台です。当社は新築では全棟で、リノベーションでは野郷の家以降の全棟で、気密測定を行っています。C値0.3以下の保証は新築のみで、リノベーションは建物ごとの条件差が大きいため保証値を設けていません。

DATA 04

結露計算壁の中の未来まで計算する

断熱を強化した壁は、計算を誤ると内部で結露し、静かに腐っていきます。

だから私たちは施工前に、冬型結露(室内の湿気が壁内で冷やされる)と夏型結露(外の湿気が冷房で冷やされた壁内で結露する)の両方を計算で検証しています。見えなくなる場所こそ、計算で守る——これが「永く住める家」の裏側です。

冬型結露の計算結果
冬型結露の検証 ——暖房期の壁内温湿度を計算
夏型結露の計算結果
夏型結露の検証 ——冷房期の逆転結露まで確認
DATA 05

実測夏の屋根は51℃になる

51.3℃

改修前の現況調査で、真夏の屋根表面をサーモグラフィで実測した数値です。この熱が、断熱のない天井を素通りして室内に降りてくる——昔の家が夏に暑い理由は、感覚ではなく数字で説明できます。

だからこの家は「屋根断熱」に組み替えました。設計は、いつも実測から始まります。

夏の屋根表面のサーモグラフィ 51.3℃
サーモグラフィ実測 ——屋根表面 51.3℃
測定日の外気温
測定日の外気温 ——猛暑日の現況調査
屋根と軒先のサーモグラフィ
46.7℃ 屋根と軒先サーモ
天井裏の小屋組のサーモグラフィ
41.6℃ 天井裏の小屋組サーモ
室内建具のサーモグラフィ
37.5℃ 室内の建具までサーモ
敷地の夏草のサーモグラフィ
35.6℃ 敷地の夏草サーモ
▼ 写真をタップすると「実写 ⇄ サーモ」が切り替わります

断熱のない家は、屋根裏が41℃、室内の建具まで37℃を超えていました。「昔の家の夏は暑い」——その理由が、この画像に全部写っています。

DATA 06

パッシブ換気電気を使わない換気を平屋で成立させる

冬の換気に、ファンは使っていません。温度差だけで空気が動く「パッシブ換気」です。

パッシブ換気は、暖かい空気が上へ昇る力だけで家全体の空気を入れ替える方式です。給気口から入った外気は、まず床下を通ります。床下エアコンの熱で暖められた空気は、床のガラリから静かに立ち上がり、室内を満たしながら天井へ昇り、最後にロフトの排気口から出ていく。ファンがないので、電気を使わず、音もせず、壊れるものもありません。

ただしこの方式には、給気口と排気口の高低差が要ります。差が大きいほど空気を押し上げる力が強くなるからです。そのため一般には吹き抜けのある家や2階建てで採用され、平屋では難しいと言われています

このモデルハウスは、平屋です。確保できた高低差は3.1m。設計段階では計算上の話でしかなく、本当に空気が動くかどうかは、建てて測るまで分かりません。だから測りました。

パッシブ換気の給気口(SA)と排気口(RA)の位置 高低差3.1m
SA(青)=給気口/RA(赤)=排気口 ——この高低差3.1mだけで、空気を動かします
給気側の床下エアコン
給気側 ——床下エアコン。ここで外気が暖められます
排気側のロフトエアコン
排気側 ——ロフト。暖まった空気がここから出ていきます
排気口1か所あたり(150φ)
15〜20 ㎥/h
2か所の合計
30〜40 ㎥/h
確保した高低差(平屋)
3.1 m

※ 内外温度差10℃の条件で実測

排気口での風量実測の様子
実測の様子 ——ティッシュが動くかではなく、風速計で測ります
風速計の実測値 風量21.6立方メートル毎時
測定値 ——風量21.6㎥/h、風速0.34m/s、温度18.2℃

計画換気量と比べると少なく見えるかもしれません。ただしこれは、現場に立ち会えた時間帯(朝と夕方)の内外温度差10℃という条件での数値です。パッシブ換気は温度差が大きいほど強く働きますから、冷え込む冬の夜間は、これより多くの空気が動いているはずです。設計時のシミュレーションは換気量50㎥/hで計算していたため、結果に大きな差は出ないと考えています。

なお、この実測は暖房を運転した状態で行っています。

パッシブ換気の原動力は、室内と屋外の温度差そのものです。暖房で室内が暖まっていなければ、空気は動きません。暖房と換気は、切り離して考えられない一組の設計——だから当社は、断熱・気密・暖房・換気を必ずセットで計画します。

そしてもうひとつ、確かめたかったことがあります。パッシブ換気でいちばん怖いのは、入ってきた冷たい空気が、家を暖めないまま素通りしてしまうことです。ファンで押し込まないぶん、空気の通り道の設計を誤ると、狙った経路で流れてくれません。

ロフトの排気口に入れた温度計は、外気温が低い時間帯でも20.1℃を示していました。

外気は床下で暖められ、室内を通り、天井へ昇って、最後に20.1℃まで暖まった状態で出ていく。冷たい空気が素通りしているのではなく、家全体をひと巡りしてから排気されている——空気が設計した経路をたどっていることを、温度で確認できた瞬間でした。

ロフト上部の温度実測 20.1度
温湿度の実測 ——ロフト上部 20.1℃/61%

夏は切り替えます。ロフトエアコン1台で上から冷気を降ろし、3種換気で排気。エアコンの風が直接体に当たらないので、「冷房が苦手」な方にこそ体感してほしい空調です。新築では全棟、リノベーションでは野郷の家以降の全棟で、完成後に換気の風量測定を行い、設計どおりに空気が流れているかを毎回答え合わせしています。

この実測に至るまでの経緯は、代表のコラムに書いています

このページの計算・診断について
断熱等級判定・耐震精密診断はホームズ君(日本住宅・木材技術センター準拠)、結露計算は定常計算による冬型・夏型の両検証、気密・風量・温湿度は現場実測によるものです。これらの設計手法は、環境塾(辻充孝氏)・構造塾・ミライの住宅空調設計講座など、代表が現在も通い続けている実務者向け講座で学んだものを、一棟ごとに実践しています。代表の学びの経歴はこちら
この数字の意味、現地で全部説明します。
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よくあるご質問

勝部建築の住宅性能はどのくらいですか?
新築ではUA値0.25〜0.27 W/(㎡・K)程度、C値は全棟で実測し0.3 ㎠/㎡以下を保証、耐震等級3(許容応力度計算による)を標準としています。断熱等級は、建てる場所の地域区分とUA値によって物件ごとに決まります。設計上の数値ではなく、実際に建った家で気密測定と換気の風量測定を行い、性能を確認したうえでお引き渡ししています。
C値とは何ですか?
C値は家全体の隙間の合計面積を延床面積で割った数値で、数字が小さいほど気密性が高く、すきま風や計画換気の乱れが少なくなります。勝部建築の新築では全棟でC値0.3 ㎠/㎡以下を保証し、1棟ごとに実測しています。リノベーションは建物ごとの条件差が大きいため、保証値は設けていません。
UA値・断熱等級7とはどのくらいの性能ですか?
UA値は住宅から熱がどれだけ逃げやすいかを表す数値で、小さいほど高断熱です。断熱等級7は国内の最高等級にあたります。モデルハウスがある出雲市斐川町(地域区分6)では等級4の基準がUA値0.87で、モデルハウスは計算値でUA値0.25 W/(㎡・K)です。
冬は暖房なしでも暖かいのですか?
「暖房を使わなくても暖かい」というのは正確ではありません。シミュレーション計算では、1月15日の朝7時・外気温マイナス2.5℃の条件で、暖房を使わなくてもLDKが18.5℃程度を保つ結果が出ています。ただし18℃は「寒くはない」温度であって、「暖かい」と感じる温度ではありません。お伝えしたいのは、それだけわずかな暖房エネルギーで家全体が暖まるということです。断熱・気密性能に加え、冬の日射を室内に取り込む設計を組み合わせることで実現しています。
気密測定はすべての住宅で行いますか?
新築は全棟で、気密測定(C値の実測)と換気設備の風量測定を行い、実際に建った家の性能を数値で確かめてからお引き渡ししています。リノベーションでも、野郷の家以降は全棟で気密測定と風量測定を行っています。それより前のリノベーション物件には、測定していないものもあります。
計算した性能は、完成後に確かめていますか?
確かめています。このモデルハウスでは、断熱は、室温シミュレーションで計算した夜から朝までの室温の下がり方(2.8℃)と、実測した下がり方(リビング3.4℃・脱衣室3.0℃)を比べ、ほぼ同じであることを確認しました。耐震は、完成後に微動探査を行い、建物の固有周期が0.09秒(耐震性能が高めとされる0.3秒未満)、地盤の固有周期が1.06秒で共振の可能性が低いこと、重心と剛心がほぼ一致していることを実測しています。気密はC値0.2を実測しています。なお微動探査は耐震性の目安を示すもので、地震で被害を受けないことを保証するものではありません。
冷暖房はどのような方式ですか?
冬は床下エアコン、夏は小屋裏(ロフト)エアコンという方式を基本としています。エアコン1台で家全体の温度を穏やかに保ち、部屋ごとの温度差を小さくする考え方です。物件により3種換気などの換気方式と組み合わせて設計します。
パッシブ換気とは何ですか?
温度差だけで空気を動かす換気の方式です。暖かい空気が上へ昇る力を利用して、床下から取り込んだ外気を室内へ送り、ロフトの排気口から外へ排出します。換気ファンを使わないため電気を消費せず、運転音もなく、故障する部品もありません。給気口と排気口の高低差が必要なため平屋では難しいとされますが、当社のリノベーションモデルハウスは平屋・高低差3.1mで成立させ、風量を実測して確認しています。
パッシブ換気だと冬に寒くなりませんか?
その心配があるからこそ実測しました。外気は室内に入る前にまず床下を通り、床下エアコンの熱で暖められてから室内へ立ち上がるため、冷たいすきま風のようにはなりません。ロフトの排気口に設置した温度計は、外気温が低い時間帯でも20.1℃を示しており、空気が家全体をひと巡りして暖まってから出ていることが確認できています。風量も内外温度差10℃の条件で、排気口1か所(150φ)あたり15〜20㎥/h、2か所で30〜40㎥/hを実測しています。