ここから先は、専門的なページです。診断書も、計算書も、実測データも、加工せずそのまま公開します。他社と比較検討中の方こそ、じっくりご覧ください。
既存のUA値は3.03。現行基準の最低等級「等級1」でした。
天井断熱・床下断熱だった構成を、屋根断熱・基礎断熱に組み替え、付加断熱を施工。改修後のUA値は0.25——6地域の等級7基準(0.26以下)をクリアする、断熱等性能等級7(最高等級)です。熱の逃げやすさは、およそ12分の1になりました。
下の判定表は、省エネ診断ソフト(ホームズ君)による計算書の実物です。


精密診断の結果、既存の上部構造評点は0.29。「倒壊する可能性が高い」という判定でした。
これが築53年の空き家の現実です。私たちは精密診断法1で現状を数値化し、補強計画を設計。壁の保有耐力をX方向6.54kN→49.85kN、Y方向11.10kN→46.30kNまで高め、改修後の評点は1.55「倒壊しない」(最高判定)になりました。



完成時の気密測定で、C値0.2㎠/㎡(実測)。
家全体の隙間を集めても、名刺半分ほどの面積しかないという意味です。新築でもC値1.0を切れば高気密と呼ばれるなか、築53年の改修でこの数値を実測で出しました。気密は断熱の効果を保証し、換気を設計どおりに機能させる土台です。当社は新築・リノベーションを問わず、全棟で気密測定を行い、C値0.3以下を保証しています。
断熱を強化した壁は、計算を誤ると内部で結露し、静かに腐っていきます。
だから私たちは施工前に、冬型結露(室内の湿気が壁内で冷やされる)と夏型結露(外の湿気が冷房で冷やされた壁内で結露する)の両方を計算で検証しています。見えなくなる場所こそ、計算で守る——これが「永く住める家」の裏側です。


改修前の現況調査で、真夏の屋根表面をサーモグラフィで実測した数値です。この熱が、断熱のない天井を素通りして室内に降りてくる——昔の家が夏に暑い理由は、感覚ではなく数字で説明できます。
だからこの家は「屋根断熱」に組み替えました。設計は、いつも実測から始まります。


断熱のない家は、屋根裏が41℃、室内の建具まで37℃を超えていました。「昔の家の夏は暑い」——その理由が、この画像に全部写っています。
冬はパッシブ換気、夏は3種換気。空調は床下エアコンとロフトエアコン、各1台。
冬は温度差を利用したパッシブ換気で、機械に頼らず新鮮な空気を床下から取り込み、床下エアコン1台の熱で家全体を暖めます。夏はロフトエアコン1台で上から冷気を降ろし、3種換気で排気。エアコンの風が直接体に当たらないので、「冷房が苦手」な方にこそ体感してほしい空調です。換気は完成後に全棟で風量測定を行い、設計どおりに空気が流れているかを答え合わせしています。