耐震等級3。UA値。C値。許容応力度計算。
家づくりの話を聞きに行くとこういう言葉が出てきます。
知らないほうが普通です。家を建てるのは多くの人が一生に一度だからです。
その言葉が何を指していてあなたの暮らしが何で変わるのか。そこだけを書きます。
「倒れない」と
「そのあとも住める」は別の話です
地震に対する家の強さには1・2・3の等級があります。
等級1は大きな地震が来ても倒れない強さ。建築基準法が決めている国の最低基準です。
ただし倒れなかったけれど柱や壁が傷んで住み続けられない。ということは起こります。
家が壊れなければ避難所に行かなくて済みます。直すお金もかかりません。
住み続けられることが
いちばんの備えです
等級3は等級1の1.5倍の強さで設計します。大きな地震のあともそのまま住み続けられることを目指す強さです。
車の購入時に、ブレーキは少し弱めでもいいとか、エアーバッグはやめておく、というような選択肢を与えられるでしょうか?
当社の新築は全棟が等級3です。等級3にするかどうかをお客様に選んでいただくことはありません。
壁の数を数えるのではなく
柱1本ずつを計算します
家の強さを確かめる方法は大きく2つあります。
ひとつは壁の数を数える方法。この大きさの家なら壁がこれだけあればいい。という早見表で確かめます。手間がかからないので木造2階建てでは長く使われてきた方法です。
もうひとつが許容応力度計算。柱1本、梁1本、基礎1か所ごとにどれだけの力がかかるかを計算します。屋根の重さ、太陽光の重さ雪の重さ、地震の揺れ、風。それがどの部材にどう伝わるかをぜんぶ数字で出します。
壁の数を数える方法だとその家に固有の弱いところが見えません。
大きな窓のある部屋、吹き抜け、2階が飛び出している形。同じ壁の量でも形によって弱いところは変わります。
計算して初めて分かる荷重や部材の大きさ。
詳細な計算が家の未来を支えます
当社は新築の全棟で許容応力度計算をしています。外注もしていません。自社で計算します。見積りから外すこともありません。
穴のあいたバケツから
水が漏れるのと同じです
冬、家の中の熱は外へ逃げていきます。壁からも、屋根からも床からも、窓からも。
UA値はその家がどれくらい熱を逃がしにくいかの数字です。小さいほど逃げにくい。
熱が逃げにくい家は部屋ごとの温度差が小さくなります。
廊下が寒い。トイレが寒い。脱衣室が寒い。それは当たり前の事ではなく、その家の性能の話です。
温度差が小さくなると、温度がバリアフリーになります。快適に過ごせるだけでなく、使う暖冷房エネルギーも少なくなるのです。
| 等級 | UA値 |
|---|---|
| 等級4 | 0.87 2025年に義務化された水準 |
| 等級5 | 0.60 2030年に義務化が予定されている水準 |
| 等級6 | 0.46 |
| 等級7 | 0.26 国内でいちばん上の等級 |
当社の近年の新築は0.25〜0.27です。UA値は設計時の計算値で建物の形と大きさで変わるので一軒ごとに計算します。
断熱が魔法瓶なら
気密は魔法瓶のフタです
魔法瓶を思い浮かべてください。どれだけ良い魔法瓶でもフタが開いていたら中の温度は逃げてしまいます。
家も同じです。C値はその家にどれくらいすき間があるかの数字です。小さいほどすき間が少ない。
すき間が少ないとすき間風を感じにくくなります。そして換気が計画どおりに働きます。
すき間だらけの家で換気扇を回しても空気は近くのすき間から入ってくるだけです。家じゅうの空気を入れ替えるにはまずすき間を塞ぐ必要があります。
C値は計算では出せません。家が建ってから機械で家の中の空気を吸い出して実際に測ります。
延床100㎡の家ならC値0.3ですき間の合計は30㎠。ハガキの5分の1くらいです。
新築は全棟で測り
C値0.3以下を保証します
測らずに高気密ですとは言いません。
家の空気を
24時間入れ替え続けるため
家の中の空気は放っておくと汚れます。だから法律で24時間ずっと換気することが決められています。
換気扇で外に出して給気口から自然に入ってくる方式です。機械が排気側だけなので仕組みが単純で掃除がしやすく壊れにくい。
暖かい空気は上へ行く。この力だけで空気を動かす方式です。
冬に屋外から入った空気が家の中を通って高いところから出ていく。電気を使いません。音もしません。
夏は第三種換気
冬はパッシブ換気が動きます
パッシブ換気は室内と外の温度差で空気を動かすので温度差の大きい冬に働きます。夏は温度差が小さく動かないため換気扇を使う第三種換気です。
ここまで読んでいただいた方に正直に書きます。
耐震も断熱も気密も換気も、やって当たり前のこと。数字は、その当たり前ができているかを確かめるためのものさしです。
私たちが時間をかけるのはその先。朝の光がどこに落ちるか。どの窓の前に腰を下ろしたくなるか。
性能は暮らしの土台
大切なのはそこで暮らす人の心が豊かになることです